医薬経済オンライン

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医療の流れを見極める

社会医療診療〝故意”別調査

Chapter27

伊竜忠志

2009年9月1日号

 今から約140年前の1870年(明治3年)9月24日に、明治政府は「府県物産表」をつくるため、全国に協力を呼びかけた。これが日本の近代統計の始まりとされている。府県物産表とは、各地の農産物と工業生産物の生産高を漏らさず報告するよう要請して作られた全数統計だ。もちろん、当時は今と違って交通機関も発達していなかったので、調査を担当したお役人は、〝データを訪ねて三千里〟状態だったことだろう。  このような全数統計なら信頼もできるが、統計にはマジックがある。あるデータの精度を±5%の誤差で推定する場合、母集団は大きくても400弱で十分とされるが、母集団が「無作為抽出」で、誤差が「5%」というところが曲者だ。例えば、ネットアンケートなら、ネット住人というフィルターがかかるから無作為抽出ではないし、テレビの視聴率のようにコンマ数%の単位で結果が欲しい場合は...  今から約140年前の1870年(明治3年)9月24日に、明治政府は「府県物産表」をつくるため、全国に協力を呼びかけた。これが日本の近代統計の始まりとされている。府県物産表とは、各地の農産物と工業生産物の生産高を漏らさず報告するよう要請して作られた全数統計だ。もちろん、当時は今と違って交通機関も発達していなかったので、調査を担当したお役人は、〝データを訪ねて三千里〟状態だったことだろう。  このような全数統計なら信頼もできるが、統計にはマジックがある。あるデータの精度を±5%の誤差で推定する場合、母集団は大きくても400弱で十分とされるが、母集団が「無作為抽出」で、誤差が「5%」というところが曲者だ。例えば、ネットアンケートなら、ネット住人というフィルターがかかるから無作為抽出ではないし、テレビの視聴率のようにコンマ数%の単位で結果が欲しい場合は、は

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