政治力も統率力も失った日医
レセプトオンライン化でぐらつき、体制に歪み
2009年8月15日号
日本医師会の旗色が悪い。月末の総選挙で、政権交代してもしなくても、日医の影響力は確実に弱まる気配が濃厚だ。今年に入ってからも、日医の政治力はまったく機能していない。
象徴が、臓器移植法改正案への対応だ。移植法は、日医にとって故武見太郎元会長の最も医師としての経歴に相応しいはずの、基本的な医療倫理に関する考え方についての「遺産」に基づき、その精神が形成されている。武見会長時代に作られた日医生命倫理懇談会が、羽田春兎会長に引き継がれて、「脳死は人の死」と規定したことから、その思想をバックボーンに立法化にまで漕ぎ着けた。
周知のように、今回の改正案は15歳以下の子どもにも移植法の枠組みを広げるものだが、衆院での修正案の乱立を経て基本的なA案が可決され、参院でも混乱なくA案のまま可決成立した。A案は、日医生命倫理懇の結論を基本原則に作られた既...
日本医師会の旗色が悪い。月末の総選挙で、政権交代してもしなくても、日医の影響力は確実に弱まる気配が濃厚だ。今年に入ってからも、日医の政治力はまったく機能していない。
象徴が、臓器移植法改正案への対応だ。移植法は、日医にとって故武見太郎元会長の最も医師としての経歴に相応しいはずの、基本的な医療倫理に関する考え方についての「遺産」に基づき、その精神が形成されている。武見会長時代に作られた日医生命倫理懇談会が、羽田春兎会長に引き継がれて、「脳死は人の死」と規定したことから、その思想をバックボーンに立法化にまで漕ぎ着けた。
周知のように、今回の改正案は15歳以下の子どもにも移植法の枠組みを広げるものだが、衆院での修正案の乱立を経て基本的なA案が可決され、参院でも混乱なくA案のまま可決成立した。A案は、日医生命倫理懇の結論を基本原則に作られた既存
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録