From Local to Global 私と公衆衛生
「脱官僚支配」を実現できるか
第10回
国際医療福祉大学 岩尾總一郎(元厚労省医政局長)
2009年8月1日号
政治の流れが大きく変わろうとしている。衆院が解散し、総選挙によって政権は自民党から民主党に移行することは間違いないように報道されている。民主党が政権を握れば、政策のシステムは大きな変革を遂げるのだろうか。
全国を遊説する民主党の鳩山由起夫代表がよく使う言葉のひとつに「脱官僚支配」がある。だが、官僚が日本を支配しようとしているわけではない。国民の求めるところと、国のあり方の妥協点を探り、最も効果的な政策を打ち出してきたつもりだ。現実問題として、官僚組織がなければ、法律ひとつできないのが現状だ。
そのいい例が、今般成立した臓器移植法の改正案だ。もともと、この法律は97年6月、数少ない議員立法として成立したもので、国会議員たちの努力の賜物だ。だが、官僚なしでは、脳死移植の現場は大混乱に陥っていたのも事実だ。
脳死は人の死かどうかを巡って議論...
政治の流れが大きく変わろうとしている。衆院が解散し、総選挙によって政権は自民党から民主党に移行することは間違いないように報道されている。民主党が政権を握れば、政策のシステムは大きな変革を遂げるのだろうか。
全国を遊説する民主党の鳩山由起夫代表がよく使う言葉のひとつに「脱官僚支配」がある。だが、官僚が日本を支配しようとしているわけではない。国民の求めるところと、国のあり方の妥協点を探り、最も効果的な政策を打ち出してきたつもりだ。現実問題として、官僚組織がなければ、法律ひとつできないのが現状だ。
そのいい例が、今般成立した臓器移植法の改正案だ。もともと、この法律は97年6月、数少ない議員立法として成立したもので、国会議員たちの努力の賜物だ。だが、官僚なしでは、脳死移植の現場は大混乱に陥っていたのも事実だ。
脳死は人の死かどうかを巡って議論さ
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