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リーダーのための読書論

日本最大の組織を創った男の大胆かつ細心な生き方

第27回

イーピーメディカル 榎戸誠

2009年6月1日号

 浄土真宗・本願寺派を現在見られるような大教団に育て上げたのは、意外なことに、宗祖・親鸞ではなく、その240年後に現れた第8代宗主(正式名は留守職)の蓮如であった。当時、参詣する人も稀な零細教団に過ぎなかった浄土真宗・本願寺派を、一代にして日本最大の宗教組織に変身させることに成功した蓮如。その組織拡大、組織維持のノウハウは、宗教という枠を超えて、現代の経営者、リーダーにとっても、いろいろな面で参考になると思う。『蓮如——本願寺王国を築いた巨人』(大谷晃一著、学陽書房・人物文庫)は、豊富な資料に基づき編年体で書かれているので、そのとき、そのときに蓮如が何を悩み、何を考え、何を実行したかを、身近に感じることができる。 最初の悩みは、親鸞の血筋を引いているとはいえ、母親が下女という低い身分であったため、継母に敵対視、冷遇され、貧窮のうちに長期に亘る...  浄土真宗・本願寺派を現在見られるような大教団に育て上げたのは、意外なことに、宗祖・親鸞ではなく、その240年後に現れた第8代宗主(正式名は留守職)の蓮如であった。当時、参詣する人も稀な零細教団に過ぎなかった浄土真宗・本願寺派を、一代にして日本最大の宗教組織に変身させることに成功した蓮如。その組織拡大、組織維持のノウハウは、宗教という枠を超えて、現代の経営者、リーダーにとっても、いろいろな面で参考になると思う。『蓮如——本願寺王国を築いた巨人』(大谷晃一著、学陽書房・人物文庫)は、豊富な資料に基づき編年体で書かれているので、そのとき、そのときに蓮如が何を悩み、何を考え、何を実行したかを、身近に感じることができる。 最初の悩みは、親鸞の血筋を引いているとはいえ、母親が下女という低い身分であったため、継母に敵対視、冷遇され、貧窮のうちに長期に亘る不遇

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