医薬経済オンライン

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ワクチン・番外編

国家戦略なき日本のワクチン対策

医療政策アナリスト 二宮尚也

2009年5月15日号

 約10年間にわたり、その脅威を指摘され続けてきた「新型インフルエンザの大流行」(パンデミック)が、ついに現実のものとなった。感染症と人類は有史以来、長い戦いを続けてきているが、インフルエンザは一定の間隔で人類に闘いを挑んでいる。  1918年のスペインかぜでは、全世界で4000万〜5000万人が死亡したと記録されている。その後、57年のアジアかぜでは100万人、68年の香港かぜで80万人の死亡を経て現在に至る。  最も脅威があるとされて準備をしてきた強毒型(H5N1)の鳥インフルエンザではなく、弱毒型(H1N1)の豚インフルエンザが流行している。5月8日現在、全世界で2510人が感染し、死亡者は46人。今のところ死亡率は、スペインかぜ並みの1.8%である。鳥インフルエンザでは、疾患の重傷度と高い死亡率(63%)ということで、大きな脅威となっていたが、それに比べると低い水準だ。...  約10年間にわたり、その脅威を指摘され続けてきた「新型インフルエンザの大流行」(パンデミック)が、ついに現実のものとなった。感染症と人類は有史以来、長い戦いを続けてきているが、インフルエンザは一定の間隔で人類に闘いを挑んでいる。  1918年のスペインかぜでは、全世界で4000万〜5000万人が死亡したと記録されている。その後、57年のアジアかぜでは100万人、68年の香港かぜで80万人の死亡を経て現在に至る。  最も脅威があるとされて準備をしてきた強毒型(H5N1)の鳥インフルエンザではなく、弱毒型(H1N1)の豚インフルエンザが流行している。5月8日現在、全世界で2510人が感染し、死亡者は46人。今のところ死亡率は、スペインかぜ並みの1.8%である。鳥インフルエンザでは、疾患の重傷度と高い死亡率(63%)ということで、大きな脅威となっていたが、それに比べると低い水準だ。メ

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