一筆入魂
地道なウイルス探求、それでも謎だらけ
「それでもブタが介在する」の的中度
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2009年5月15日号
「それでもブタが介在している」 本誌4月15日号に掲載された北海道大学大学院獣医学研究科の喜田宏教授のインタビュー記事につけられた見出しだ。 喜田教授は、鳥インフルエンザウイルスと57年に出現したアジアかぜウイルス(H2N2)が、豚の呼吸器に感染して遺伝子再集合を起こしたウイルスが、68年に流行した香港かぜウイルス(H3N1)であることを証明した学者だ。喜田教授はインタビューで、新型インフルエンザウイルスは、豚を介してヒトからヒトへと感染する能力を獲得すると唱えていた。 もちろん、世界を震撼させている豚由来のインフルエンザAウイルスを予想していた訳ではない。タイミングが合っただけの話だ。 ただ、ウイルスの世界は興味深い。ひとつの流行をめぐって、見えないウイルスの動きや変異を予測しながら何通りもの仮説を立て、それを地道に証明していく。それは科学という...
「それでもブタが介在している」 本誌4月15日号に掲載された北海道大学大学院獣医学研究科の喜田宏教授のインタビュー記事につけられた見出しだ。 喜田教授は、鳥インフルエンザウイルスと57年に出現したアジアかぜウイルス(H2N2)が、豚の呼吸器に感染して遺伝子再集合を起こしたウイルスが、68年に流行した香港かぜウイルス(H3N1)であることを証明した学者だ。喜田教授はインタビューで、新型インフルエンザウイルスは、豚を介してヒトからヒトへと感染する能力を獲得すると唱えていた。 もちろん、世界を震撼させている豚由来のインフルエンザAウイルスを予想していた訳ではない。タイミングが合っただけの話だ。 ただ、ウイルスの世界は興味深い。ひとつの流行をめぐって、見えないウイルスの動きや変異を予測しながら何通りもの仮説を立て、それを地道に証明していく。それは科学というに
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