なぜか怪しい産科医療補償制度
早くも完全加入を達成、しかし止まぬ不満の声
2009年5月1日号
日本医師会など全国の医師を敵に回した感のあった県立福島大学附属大野病院事件の捜査は、手術を執刀した産婦人科医の無罪によって決着が図られた。しかし、同事件に象徴されるように、産科医療の最大の問題は、その突出した訴訟率の高さであることは、今さら説明するまでもないだろう。
産科医療で医療事故訴訟が多い原因は、そもそも妊産婦側に医療を受けるという意識が低く、死亡事故が起こった場合の家族の喪失感、意外感が高いからだとされるが、世界的には、国内の産科医療、とくに分娩時における母子の死亡率は非常に低い水準を保っている。分娩は出血を伴うこともあって、意外にリスクが大きいということが、一般に伝わっていない問題もあるが、日本での安全性の高さが、逆に事故時の妊産婦側のエキセントリックな対応につながりやすいという側面は大きい。
また、産科医不足も大きな原因...
日本医師会など全国の医師を敵に回した感のあった県立福島大学附属大野病院事件の捜査は、手術を執刀した産婦人科医の無罪によって決着が図られた。しかし、同事件に象徴されるように、産科医療の最大の問題は、その突出した訴訟率の高さであることは、今さら説明するまでもないだろう。
産科医療で医療事故訴訟が多い原因は、そもそも妊産婦側に医療を受けるという意識が低く、死亡事故が起こった場合の家族の喪失感、意外感が高いからだとされるが、世界的には、国内の産科医療、とくに分娩時における母子の死亡率は非常に低い水準を保っている。分娩は出血を伴うこともあって、意外にリスクが大きいということが、一般に伝わっていない問題もあるが、日本での安全性の高さが、逆に事故時の妊産婦側のエキセントリックな対応につながりやすいという側面は大きい。
また、産科医不足も大きな原因だ
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