海外時報
製薬業界と民主党政治の新しい関係
薬剤費の鈍化で薬価引き上げも黙認?
2009年5月1日号
4月15日、米国の薬価動向を追跡する高齢者グループAARPが高齢者の汎用する219ブランド製剤の卸販売価格(WAC)は08年に平均8.7%、一般インフレ率の2倍以上の増加率だったと総括し、(APを除き)主要各紙が揃って無視したのは不思議な光景だった。費用抑制に軸足を移した医療制度改革が経済・雇用を除く最優先の国内政策として問われているときである。 例によって、製薬業界団体PhRMAは「全体像を正確に伝えない歪めた分析」と批判したが、それが抑止力になったとは考えにくい。ブランド製剤の価格動向は、メディケア薬剤給付実施前3年間の6%台から、7.1%、7.4%、8.7%と加速しており、新たに必要が生じた薬剤プランに対する値引き、リベートの影を読み取れる。 09年は民主党主導の政治になり、製薬業界に厳しい政策が進められる前に値上げという判断も働いたろう。しかし、ウォ...
4月15日、米国の薬価動向を追跡する高齢者グループAARPが高齢者の汎用する219ブランド製剤の卸販売価格(WAC)は08年に平均8.7%、一般インフレ率の2倍以上の増加率だったと総括し、(APを除き)主要各紙が揃って無視したのは不思議な光景だった。費用抑制に軸足を移した医療制度改革が経済・雇用を除く最優先の国内政策として問われているときである。 例によって、製薬業界団体PhRMAは「全体像を正確に伝えない歪めた分析」と批判したが、それが抑止力になったとは考えにくい。ブランド製剤の価格動向は、メディケア薬剤給付実施前3年間の6%台から、7.1%、7.4%、8.7%と加速しており、新たに必要が生じた薬剤プランに対する値引き、リベートの影を読み取れる。 09年は民主党主導の政治になり、製薬業界に厳しい政策が進められる前に値上げという判断も働いたろう。しかし、ウォール
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