医薬経済オンライン

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ドクターかでいのくすりの裏技

厄介な薬「スルピリド」

第14回

かでい伝次郎

2009年5月1日号

 本連載が始まったのは、当社の編集者が私をさる人物に紹介し、講演させたのがきっかけである。今となっては詳しくは覚えていないが、いつものように薬の悪口を言いまくったという記憶がある。 その講演で〝ヤリ玉〟に挙げた筆頭の薬が「スルピリド」(製品名はドグマチール、アビリット、ミラドールなど)だった。古い薬で、胃十二指腸潰瘍からうつ病、統合失調症まで適応があり、高齢者のせん妄(錯覚や幻覚)などにもよく使われている。飲み薬も注射薬もある便利な薬だ。不定愁訴の目立つ患者に「仮面うつ病かもしれんし、胃の調子が悪いと言っているから、飲ませとくか」というノリで使われる薬である。 私も、今は遠い研修医の時分に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者が入院すると、絶食にしたうえで、H2ブロッカーを日に2回注射し、点滴にはスルピリドの注射製剤と「ソルコセリル」(これは不思議...  本連載が始まったのは、当社の編集者が私をさる人物に紹介し、講演させたのがきっかけである。今となっては詳しくは覚えていないが、いつものように薬の悪口を言いまくったという記憶がある。 その講演で〝ヤリ玉〟に挙げた筆頭の薬が「スルピリド」(製品名はドグマチール、アビリット、ミラドールなど)だった。古い薬で、胃十二指腸潰瘍からうつ病、統合失調症まで適応があり、高齢者のせん妄(錯覚や幻覚)などにもよく使われている。飲み薬も注射薬もある便利な薬だ。不定愁訴の目立つ患者に「仮面うつ病かもしれんし、胃の調子が悪いと言っているから、飲ませとくか」というノリで使われる薬である。 私も、今は遠い研修医の時分に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の患者が入院すると、絶食にしたうえで、H2ブロッカーを日に2回注射し、点滴にはスルピリドの注射製剤と「ソルコセリル」(これは不思議な

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