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リーダーのための読書論

ヘンリ・ライクロフトの静寂と瞑想の日々

第26回

イーピーメディカル 榎戸誠

2009年5月1日号

 ヘンリ・ライクロフトの生き方が、私の理想である。当時、53歳であったライクロフトに出会ったのは、私が30歳のときであった。彼は英国の南イングランドの片田舎に隠退し、さまざまな思索にふけりつつ静かな余生を送っていた。移りゆく自然に心を惹かれ、読書をこよなく愛する男がここにいた。死について、常に思いを凝らしている男がここにいた。 それ以来、『ヘンリ・ライクロフトの私記』(ジョージ・ギッシング著、平井正穂訳、岩波文庫)は、私の最も身近な愛読書となり、今日までに7回も読み返している。失意のとき、寂しいとき、自信を喪失したとき、私は必ずこの書に戻ってくる。私が惨めな状態にあろうと優しく迎えてくれる老妻のような、この本に慰められて、私は再び猛々しい戦場へ帰っていく。「昨日、私はニレの並木道のそばを通った。木立と木立の間に挟まれた道は、一面に見渡す限り落...  ヘンリ・ライクロフトの生き方が、私の理想である。当時、53歳であったライクロフトに出会ったのは、私が30歳のときであった。彼は英国の南イングランドの片田舎に隠退し、さまざまな思索にふけりつつ静かな余生を送っていた。移りゆく自然に心を惹かれ、読書をこよなく愛する男がここにいた。死について、常に思いを凝らしている男がここにいた。 それ以来、『ヘンリ・ライクロフトの私記』(ジョージ・ギッシング著、平井正穂訳、岩波文庫)は、私の最も身近な愛読書となり、今日までに7回も読み返している。失意のとき、寂しいとき、自信を喪失したとき、私は必ずこの書に戻ってくる。私が惨めな状態にあろうと優しく迎えてくれる老妻のような、この本に慰められて、私は再び猛々しい戦場へ帰っていく。「昨日、私はニレの並木道のそばを通った。木立と木立の間に挟まれた道は、一面に見渡す限り落ち

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