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業界尽言

わが国から逃げ出す新薬開発

第44回 「去るものは追わず」でなく、独自の支援策を

薬事評論家 香澄 汐

2009年4月15日号

「治験の空洞化」と並んで「開発の空洞化」が懸念されるなかで、昨秋には、万有製薬の筑波研究所が閉鎖されることが決まり、外資系製薬企業の国内研究所で、残るは日本ベーリンガーインゲルハイムの神戸医薬研究所のみとなった。  万有製薬の筑波研究所は、もともとは万有製薬が親会社の米メルクに吸収される前に設立した研究所だが、メルクの全世界的な新薬研究開発の効率化、リストラの嵐のなかで、過去の歴史などとは関係なく整理されることが決まってしまった。  もともと外資系製薬企業の国内研究所の設立の目的は、新薬開発のためというよりは、新薬申請資料を作るためだった。ICH以前には、日本は、臨床試験はもとより、物理化学的試験も前臨床試験も、すべてが日本国内で行われたものだけが、申請資料として要求されていた。  当時は、国内における外資系製薬企業の力... 「治験の空洞化」と並んで「開発の空洞化」が懸念されるなかで、昨秋には、万有製薬の筑波研究所が閉鎖されることが決まり、外資系製薬企業の国内研究所で、残るは日本ベーリンガーインゲルハイムの神戸医薬研究所のみとなった。  万有製薬の筑波研究所は、もともとは万有製薬が親会社の米メルクに吸収される前に設立した研究所だが、メルクの全世界的な新薬研究開発の効率化、リストラの嵐のなかで、過去の歴史などとは関係なく整理されることが決まってしまった。  もともと外資系製薬企業の国内研究所の設立の目的は、新薬開発のためというよりは、新薬申請資料を作るためだった。ICH以前には、日本は、臨床試験はもとより、物理化学的試験も前臨床試験も、すべてが日本国内で行われたものだけが、申請資料として要求されていた。  当時は、国内における外資系製薬企業の力も弱

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