医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

予防医療を通して見る科学的吟味の薄弱さ

第72回

鍛冶孝雄

2017年5月1日号

 ワクチンの話は難しい。予防医療という概念が日本では統一されていないように思えるし、それを実証するようにワクチン行政の右顧左眄ぶり、ワクチンを巡るメディアの対応も不揃いの印象をずっと持っていた。さらに言えば、ワクチンが感染症対策だけでなく、肺炎や子宮頸がんの予防策としての位置付けを持つと、幅広い観念では「感染症」ではなく、ワクチンという「概念」が広く疾病予防を指すらしいことにも、最近は読書子の私にも認識が生まれつつある(間違いかもしれないが)。 今回の読書は、今年1月に刊行された岩田健太郎著『ワクチンは怖くない』(光文社新書)。著者は感染症や予防接種に関連した本をたくさん著し、予防接種やワクチン問題で発言を続けている。今回の『ワクチンは怖くない』は予防接種、ワクチンに関するガイダンス本のように見えるが、内容はこうしたテーマを材料に、この国...  ワクチンの話は難しい。予防医療という概念が日本では統一されていないように思えるし、それを実証するようにワクチン行政の右顧左眄ぶり、ワクチンを巡るメディアの対応も不揃いの印象をずっと持っていた。さらに言えば、ワクチンが感染症対策だけでなく、肺炎や子宮頸がんの予防策としての位置付けを持つと、幅広い観念では「感染症」ではなく、ワクチンという「概念」が広く疾病予防を指すらしいことにも、最近は読書子の私にも認識が生まれつつある(間違いかもしれないが)。 今回の読書は、今年1月に刊行された岩田健太郎著『ワクチンは怖くない』(光文社新書)。著者は感染症や予防接種に関連した本をたくさん著し、予防接種やワクチン問題で発言を続けている。今回の『ワクチンは怖くない』は予防接種、ワクチンに関するガイダンス本のように見えるが、内容はこうしたテーマを材料に、この国の

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence