漢方処方 千差万様
症例「とびひ」
第28回
みとみ堂薬局漢方専門薬剤師 安廣嘉人
2017年5月1日号
まもなく暦のうえでは「立夏」になります。今回は「とびひ」についてお話しします。小さいお子さんがいる方、あるいはご自身が子どものころに、かかった記憶はあるでしょうか。とびひは、虫さされや汗疹を掻いたり、小さなケガでできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。 とびひとは、細菌による皮膚の感染症で正式病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言います。原因菌は、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などです。ブトウ球菌は、健康な人の皮膚の表面や鼻のなかにいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込んで、増殖するときに出す毒素がとびひ発症の原因になります。 とびひの多くは、この細菌が原因です。溶連菌も同じく常在菌で、傷口などから皮膚に入り込みます。 とびひは、2種類に分けられます。ひとつは水疱(水ぶくれ)ができて、びらん(ペロ...
まもなく暦のうえでは「立夏」になります。今回は「とびひ」についてお話しします。小さいお子さんがいる方、あるいはご自身が子どものころに、かかった記憶はあるでしょうか。とびひは、虫さされや汗疹を掻いたり、小さなケガでできた皮膚の傷に細菌が入り込み、感染することで発症します。 とびひとは、細菌による皮膚の感染症で正式病名は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」と言います。原因菌は、ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などです。ブトウ球菌は、健康な人の皮膚の表面や鼻のなかにいる常在菌です。傷口などから皮膚に入り込んで、増殖するときに出す毒素がとびひ発症の原因になります。 とびひの多くは、この細菌が原因です。溶連菌も同じく常在菌で、傷口などから皮膚に入り込みます。 とびひは、2種類に分けられます。ひとつは水疱(水ぶくれ)ができて、びらん(ペロッ
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