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薬剤経済学

重い疾患向け高額製剤の価値

第1回 MS製剤の消費者余剰

2017年5月1日号

 図1は、深刻な疾患を和らげる治療法はその費用を凌駕する高い便益があり、患者、住民全体は支払い額以上の価値(消費者余剰)を手にしているとの主張を、多発性硬化症(MS)製剤を例として、高額製剤批判に反論する試みである。 保険の仕組みがなく、年5万ドル余(2014年ドル)を患者が自費で賄う状況でも、支払い額は手にする便益・価値に見合う。保険適用のもと、自己負担が軽減されるなら、薬剤を用いる患者群の余剰は生涯通算で318億ドル(棒グラフ=病者の右)に及ぶ。しかも治療法の存在は健康者にも価値があり、住民全体の余剰は462億ドル、製造業者が手にする売上総額212億ドル(横の点線)の2倍を超えると強調している。「アボネックス」、「タイサブリ」、「テクフィデラ」など、MS領域で1ダースの製剤が市場で競う世代とは、タイプの異なる3製剤に限った「価値の推...  図1は、深刻な疾患を和らげる治療法はその費用を凌駕する高い便益があり、患者、住民全体は支払い額以上の価値(消費者余剰)を手にしているとの主張を、多発性硬化症(MS)製剤を例として、高額製剤批判に反論する試みである。 保険の仕組みがなく、年5万ドル余(2014年ドル)を患者が自費で賄う状況でも、支払い額は手にする便益・価値に見合う。保険適用のもと、自己負担が軽減されるなら、薬剤を用いる患者群の余剰は生涯通算で318億ドル(棒グラフ=病者の右)に及ぶ。しかも治療法の存在は健康者にも価値があり、住民全体の余剰は462億ドル、製造業者が手にする売上総額212億ドル(横の点線)の2倍を超えると強調している。「アボネックス」、「タイサブリ」、「テクフィデラ」など、MS領域で1ダースの製剤が市場で競う世代とは、タイプの異なる3製剤に限った「価値の推計」

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