化学構造式から薬剤師が考えるクスリ
薬物相互作用の重要性を知る
第8回 ソリブジン薬禍の「教訓」から
医化学創薬代表取締役 伊藤勝彦
2017年5月1日号
今回は、薬物相互作用の重要性を再認識する契機となった「ソリブジン」の薬禍を取り上げます。 ソリブジン薬禍とは、ソリブジン(1-β -D-arabinofuranosyl-(E)-5-(2-bromovinyl)uracil)とフルオロウラシル系抗悪性腫瘍薬との併用によって、93年9月の発売後1ヵ月で15人の死者を出した〝薬害〟のことです。ソリブジンの臨床試験でも3人の死亡例が報告されていました。死亡した患者はすべて、主として術後のがん再発予防の目的でフルオロウラシル製剤を服用していました。世界からも注目されていた ソリブジン(sorivudine)は、79年にヤマサ醤油の研究陣によって新規に合成され、93年9月に日本商事(現・アルフレッサ ホールディングス)から「ユースビル錠」の製品名で上市された帯状疱疹の治療薬です。(*1)エーザイも共同販売に加わっています。ソリブジンはチミジンの誘導体であり、当時...
今回は、薬物相互作用の重要性を再認識する契機となった「ソリブジン」の薬禍を取り上げます。 ソリブジン薬禍とは、ソリブジン(1-β -D-arabinofuranosyl-(E)-5-(2-bromovinyl)uracil)とフルオロウラシル系抗悪性腫瘍薬との併用によって、93年9月の発売後1ヵ月で15人の死者を出した〝薬害〟のことです。ソリブジンの臨床試験でも3人の死亡例が報告されていました。死亡した患者はすべて、主として術後のがん再発予防の目的でフルオロウラシル製剤を服用していました。世界からも注目されていた ソリブジン(sorivudine)は、79年にヤマサ醤油の研究陣によって新規に合成され、93年9月に日本商事(現・アルフレッサ ホールディングス)から「ユースビル錠」の製品名で上市された帯状疱疹の治療薬です。(*1)エーザイも共同販売に加わっています。ソリブジンはチミジンの誘導体であり、当時の
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録