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OBSERVER

青木大輔・慶應義塾大学医学部産婦人科学教室教授

2017年5月15日号

遺伝性と言えどまずは患者の治療──遺伝性乳がん卵巣がんの治療薬となるアストラゼネカの「オラパリブ」が18年頃に上市される見込みです。日本でも遺伝子検査を伴う抗がん剤となりますが、検査について日本人はどのように捉えていますか。青木 日本人は「遺伝」という言葉を敬遠する傾向があり、受けたがらない患者もいるだろう。この薬剤を使用するのはBRCAという遺伝子変異がある患者となるが、現状では国内でのデータベースは1000症例にも満たない。一方で、世界では何万例とのデータが上がってきている。──遺伝子検査への敬遠が治療の弊害にはなりませんか。青木 オラパリブは治療成績が良好で、既存の化学療法よりも再発までの時間を大幅に遅らせることを患者に伝えれば、検査に踏み切れるのではないか。同剤の登場で基本的にはすべての患者でBRCA遺伝子変異を調べる可能性がある。多... 遺伝性と言えどまずは患者の治療──遺伝性乳がん卵巣がんの治療薬となるアストラゼネカの「オラパリブ」が18年頃に上市される見込みです。日本でも遺伝子検査を伴う抗がん剤となりますが、検査について日本人はどのように捉えていますか。青木 日本人は「遺伝」という言葉を敬遠する傾向があり、受けたがらない患者もいるだろう。この薬剤を使用するのはBRCAという遺伝子変異がある患者となるが、現状では国内でのデータベースは1000症例にも満たない。一方で、世界では何万例とのデータが上がってきている。──遺伝子検査への敬遠が治療の弊害にはなりませんか。青木 オラパリブは治療成績が良好で、既存の化学療法よりも再発までの時間を大幅に遅らせることを患者に伝えれば、検査に踏み切れるのではないか。同剤の登場で基本的にはすべての患者でBRCA遺伝子変異を調べる可能性がある。多少は

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