世界の医薬品業界
米国の値上げなくして製薬企業は成長できるか
第122回
研ファーマ・ブレーン 永江研太郎
2017年5月15日号
米国の16年の医薬品市場の伸びは15年に比べて大幅に鈍化したことが報じられている。これは米国の3大医薬品卸の米卸事業の売上げを見ても明らかで、卸市場の約98%を占める3大卸の合計額の伸び率は15年の14.2%から16年は7.2%増とほぼ半減し、4193億ドルとなった。 米卸の売上げは医療機関向けの値引きは差し引かれているが、薬局向けの外来用医薬品はリベートや患者向けの値引きが含まれ、メーカーの実売上げの伸び率はもっと低くなる。この伸びの鈍化はスタチンや降圧剤など患者数の多い大型薬効はほとんど後発品となって処方1回あたりの平均単価が下落する一方、国民からの非難や政治からの圧力もあってメーカーの値上げ幅が以前より抑えられ、処方の多くを占める後発品で全体の値上げが1%程度にとどまったことが大きい。また、15年、16年に承認された大型新製品の数が少なかったこと...
米国の16年の医薬品市場の伸びは15年に比べて大幅に鈍化したことが報じられている。これは米国の3大医薬品卸の米卸事業の売上げを見ても明らかで、卸市場の約98%を占める3大卸の合計額の伸び率は15年の14.2%から16年は7.2%増とほぼ半減し、4193億ドルとなった。 米卸の売上げは医療機関向けの値引きは差し引かれているが、薬局向けの外来用医薬品はリベートや患者向けの値引きが含まれ、メーカーの実売上げの伸び率はもっと低くなる。この伸びの鈍化はスタチンや降圧剤など患者数の多い大型薬効はほとんど後発品となって処方1回あたりの平均単価が下落する一方、国民からの非難や政治からの圧力もあってメーカーの値上げ幅が以前より抑えられ、処方の多くを占める後発品で全体の値上げが1%程度にとどまったことが大きい。また、15年、16年に承認された大型新製品の数が少なかったことや15
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