医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

費用対効果を恐れるな

第80回 ビジネスモデル再構築の好機

生島准

2017年5月15日号

 黒船が来た。 米国政府は今回、開国要求ではなく、日米通商問題に高額薬価引き下げ問題を取り上げることを通告してきたのだ。「不透明で政府が恣意的に引き下げられる薬価制度はイノベーションを妨げ、患者の不利益を与える」。自らの利益を棚上げした議論だが、このままでは海外生産拠点の移転を進めた自動車産業に代わって、製薬産業や新薬の規制がトランプ大統領の新通商政策の標的となる可能性が濃厚だ。果たして、日本には有効な対抗手段があるのだろうか。まるで瓢箪から駒のようだが、厚生労働省が薬価引き下げの言い訳に用意した費用対効果が、運用次第ではひょっとしたら日米交渉の有力な武器となる可能性がある。 トランプ政権からは日米貿易赤字を耐えがたい状況にあるというメッセージが頻繁に発せられている。トランプ大統領就任早々の安倍晋三首相との会談で、経済問題は別途二国間協...  黒船が来た。 米国政府は今回、開国要求ではなく、日米通商問題に高額薬価引き下げ問題を取り上げることを通告してきたのだ。「不透明で政府が恣意的に引き下げられる薬価制度はイノベーションを妨げ、患者の不利益を与える」。自らの利益を棚上げした議論だが、このままでは海外生産拠点の移転を進めた自動車産業に代わって、製薬産業や新薬の規制がトランプ大統領の新通商政策の標的となる可能性が濃厚だ。果たして、日本には有効な対抗手段があるのだろうか。まるで瓢箪から駒のようだが、厚生労働省が薬価引き下げの言い訳に用意した費用対効果が、運用次第ではひょっとしたら日米交渉の有力な武器となる可能性がある。 トランプ政権からは日米貿易赤字を耐えがたい状況にあるというメッセージが頻繁に発せられている。トランプ大統領就任早々の安倍晋三首相との会談で、経済問題は別途二国間協議を

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