平時医療体制の破錠に備える~電光石火こそ最良の有事医療~
実効的な外科的気道確保への挑戦
第28回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2017年5月15日号
13人が死亡した「地下鉄サリン事件」に関してこんな試算がある。「現在、同じ環境で発生した場合、死者数は4倍超の50人以上」 同事件が発生したのは95年3月。あれから22年もの間に、先進諸国がCBRNe(シーバーン=生物・化学兵器、放射性物質、核、爆発物を用いる大規模テロ)対策をいかに進歩させてきたかについては5月1日号で述べたとおりだ。 だが、日本では逆に死者数が増えてしまう体制となってしまった。これは消防による現場除染体制整備の結果と「水除染神話」により搬送開始が大幅に遅延するためだ。 サリンのような気体の毒物汚染の場合、水で洗い流す除染はごく少数の例外(直接液状のものを浴びた場合)を除けば不要だ。 にもかかわらず、全国の多くの政令指定都市にある消防局の特殊災害部隊では、いまだに「全員水除染」を実施する計画となっている。汚染の疑いのある傷...
13人が死亡した「地下鉄サリン事件」に関してこんな試算がある。「現在、同じ環境で発生した場合、死者数は4倍超の50人以上」 同事件が発生したのは95年3月。あれから22年もの間に、先進諸国がCBRNe(シーバーン=生物・化学兵器、放射性物質、核、爆発物を用いる大規模テロ)対策をいかに進歩させてきたかについては5月1日号で述べたとおりだ。 だが、日本では逆に死者数が増えてしまう体制となってしまった。これは消防による現場除染体制整備の結果と「水除染神話」により搬送開始が大幅に遅延するためだ。 サリンのような気体の毒物汚染の場合、水で洗い流す除染はごく少数の例外(直接液状のものを浴びた場合)を除けば不要だ。 にもかかわらず、全国の多くの政令指定都市にある消防局の特殊災害部隊では、いまだに「全員水除染」を実施する計画となっている。汚染の疑いのある傷病者
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