労働争議で露呈した製薬企業の内情
MRを監視する本社、杜撰な営業日報を書く社員
2017年6月1日号
アストラゼネカの男性社員Aさん(51)が16年12月、MRとして働いていた頃の月給は61万8403円だった。基本給は5段階評価の中間となる「D3」の46万8480円。これに「営業準備手当」「営業日当」「住宅手当」が加わり、60万円を超える給与を貰っていた。MR歴は29年、担当は営業本部消化器呼吸器領域の大阪営業部神戸4課。マーケティング部やオンコロジー事業本部にも配属され、全国1位の営業成績を上げた経験は4回。12年上期・下期連続で1位になったときには、褒章として英国旅行と記念の腕時計を贈られたこともある。 しかし、そんな実績を誇るMRだったAさんが、17年4月、突如導入された人事制度でいきなり降格された。新制度では、年齢や在職年数に関係なく、MRのスキルや製品・疾患の知識などに応じて等級を再評価されたためだ。評価段階も従来の5段階から4段階に変更。そ...
アストラゼネカの男性社員Aさん(51)が16年12月、MRとして働いていた頃の月給は61万8403円だった。基本給は5段階評価の中間となる「D3」の46万8480円。これに「営業準備手当」「営業日当」「住宅手当」が加わり、60万円を超える給与を貰っていた。MR歴は29年、担当は営業本部消化器呼吸器領域の大阪営業部神戸4課。マーケティング部やオンコロジー事業本部にも配属され、全国1位の営業成績を上げた経験は4回。12年上期・下期連続で1位になったときには、褒章として英国旅行と記念の腕時計を贈られたこともある。 しかし、そんな実績を誇るMRだったAさんが、17年4月、突如導入された人事制度でいきなり降格された。新制度では、年齢や在職年数に関係なく、MRのスキルや製品・疾患の知識などに応じて等級を再評価されたためだ。評価段階も従来の5段階から4段階に変更。その結
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