既得権打破が生む「新たな利権」

医政羅針盤

既得権打破が生む「新たな利権」

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授　村上正泰

2017年6月15日号

　今年の流行語大賞が確定的だと言われているのが「忖度」だ。森友学園問題では、安倍昭恵首相夫人が名誉校長として名前を連ねていたことから、国有地の売却や小学校の許可などの過程で、役人が忖度し、便宜が図られたのではないかとの憶測が広がっている。その後、今治市における加計学園の獣医学部新設を巡る問題も浮上している。国家戦略特区の枠組みを利用しながら、官邸が介入することにより、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園に利益誘導が行われたのではないかと言われている。　ここでは、これらの問題について、実際の詳細がはっきりしない以上、個別に論評することはしない。しかし、これらに限らず、さまざまな案件について、陳情を受けた政治家から、役所に依頼が行われることは一般的によくあることだ。それは与党に限らず、野党でも少なからず存在する。その過程では、... 　今年の流行語大賞が確定的だと言われているのが「忖度」だ。森友学園問題では、安倍昭恵首相夫人が名誉校長として名前を連ねていたことから、国有地の売却や小学校の許可などの過程で、役人が忖度し、便宜が図られたのではないかとの憶測が広がっている。その後、今治市における加計学園の獣医学部新設を巡る問題も浮上している。国家戦略特区の枠組みを利用しながら、官邸が介入することにより、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める加計学園に利益誘導が行われたのではないかと言われている。　ここでは、これらの問題について、実際の詳細がはっきりしない以上、個別に論評することはしない。しかし、これらに限らず、さまざまな案件について、陳情を受けた政治家から、役所に依頼が行われることは一般的によくあることだ。それは与党に限らず、野党でも少なからず存在する。その過程では、その

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