読む医療―医師が書いた本の斜め読み―
パラダイム転換は「主観」の尊重から
第75回
鍛冶孝雄
2017年6月15日号
尊敬する人々は生きていくうえで大切な存在だ。どんな人の人生にも、そういう人たちが周りにいるはずだと思う。だからといってその人々に依存して生きることはできない。小さな信念だが、私はそういう考え方で生きてきた。 それゆえに、そのことに異を唱える人々とはあまり仲がよくない。「尊敬するなら、あるいは自分が言うことに敬意を払うなら、自分に従え」という粗い主張に同意せず、ついには殴られたりした経験は多い。私は、自身の考えを持っている。同調はしても、細かい異論、表現の方法の違いがあれば、一応の和解を示したとしても、自身をそこに依存させることはできない。偉そうに言うが、実はたいしたことではない、とも思っている。大抵の人は、私と同じ地平で生きていると思うからである。 今回の『医療の原点』(中川米造著、岩波書店)は、読みながらいつしかそうした自らの生き方...
尊敬する人々は生きていくうえで大切な存在だ。どんな人の人生にも、そういう人たちが周りにいるはずだと思う。だからといってその人々に依存して生きることはできない。小さな信念だが、私はそういう考え方で生きてきた。 それゆえに、そのことに異を唱える人々とはあまり仲がよくない。「尊敬するなら、あるいは自分が言うことに敬意を払うなら、自分に従え」という粗い主張に同意せず、ついには殴られたりした経験は多い。私は、自身の考えを持っている。同調はしても、細かい異論、表現の方法の違いがあれば、一応の和解を示したとしても、自身をそこに依存させることはできない。偉そうに言うが、実はたいしたことではない、とも思っている。大抵の人は、私と同じ地平で生きていると思うからである。 今回の『医療の原点』(中川米造著、岩波書店)は、読みながらいつしかそうした自らの生き方、あ
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