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平時医療体制の破錠に備える~電光石火こそ最良の有事医療~

有事における緊急気道確保

第30回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2017年6月15日号

 戦場や事態対処医療(テロ対策医療)のような有事に求められる緊急気道確保の目的は、次の2つである。①陽圧換気(肺に圧力をかけて空気を送り込むこと)②気道熱傷時の確実な気道確保 陽圧換気は両肺損傷時の呼吸機能の維持のために行うもので、散弾銃による射撃や爆発物の破片を胸に受けるなど、鋭的胸部外傷の受傷後30秒以内に実施すべきとされている。また、防弾ベスト外傷(フレイルチェスト)の内固定のように、鈍的胸部外傷に対しても早い実施が求められている。 装甲車両内や建造物内での火災に遭遇するなどによって、気道熱傷が強く疑われた場合、直ちに気管内挿管を施行することで浮腫による挿管困難を防ぐ。 事態対処医療では、これらの処置は救命止血同様、「Care Under Fire」(絶対的危険状況)において実施すべき事項に含まれる。 このため、事態対処医療従事者は銃弾が飛び交う状況...  戦場や事態対処医療(テロ対策医療)のような有事に求められる緊急気道確保の目的は、次の2つである。①陽圧換気(肺に圧力をかけて空気を送り込むこと)②気道熱傷時の確実な気道確保 陽圧換気は両肺損傷時の呼吸機能の維持のために行うもので、散弾銃による射撃や爆発物の破片を胸に受けるなど、鋭的胸部外傷の受傷後30秒以内に実施すべきとされている。また、防弾ベスト外傷(フレイルチェスト)の内固定のように、鈍的胸部外傷に対しても早い実施が求められている。 装甲車両内や建造物内での火災に遭遇するなどによって、気道熱傷が強く疑われた場合、直ちに気管内挿管を施行することで浮腫による挿管困難を防ぐ。 事態対処医療では、これらの処置は救命止血同様、「Care Under Fire」(絶対的危険状況)において実施すべき事項に含まれる。 このため、事態対処医療従事者は銃弾が飛び交う状況で

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