薬剤経済学
伝統的な技術評価法が見落とす価値
第4回 CEAに拠らない評価法
2017年6月15日号
南カリフォルニア大学のダリアス・ラクダワラらは、新技術の価値は、技術が実現する便益と技術提供に要する費用(価格)の関係だけを見る「伝統的な価値」に加えて、健康者の「万一の際の治療法の存在」、「フィジカルな価値」を汲むべきで、その総和こそが真の総価値だと主張する。 この関係を図に概念化したものが、ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルスの「医療イノベーションの保険価値」(2017年1月)に先立つNEBRワーキング・ペーパー(経済学論文の発表の場、2015年)だ。完全な健康状態1に対して0.2に落ちる深刻な病気状態を治癒する新技術の価値を、健康の回復に伴う所得の回復として見積もった。患者負担なしの完全補償型保険下にある状況を想定し、保険給付がない場合と比べている。 費用ゼロで患者に提供されれば価値は最高(図の左端)になり、消費者余剰ゼロの価格の...
南カリフォルニア大学のダリアス・ラクダワラらは、新技術の価値は、技術が実現する便益と技術提供に要する費用(価格)の関係だけを見る「伝統的な価値」に加えて、健康者の「万一の際の治療法の存在」、「フィジカルな価値」を汲むべきで、その総和こそが真の総価値だと主張する。 この関係を図に概念化したものが、ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルスの「医療イノベーションの保険価値」(2017年1月)に先立つNEBRワーキング・ペーパー(経済学論文の発表の場、2015年)だ。完全な健康状態1に対して0.2に落ちる深刻な病気状態を治癒する新技術の価値を、健康の回復に伴う所得の回復として見積もった。患者負担なしの完全補償型保険下にある状況を想定し、保険給付がない場合と比べている。 費用ゼロで患者に提供されれば価値は最高(図の左端)になり、消費者余剰ゼロの価格のと
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