医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

トランプケアで無保険者数増へ

第24回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2017年7月1日号

 前回6月1日号では、米国の医療制度における公的機関(連邦や州)の関与状況と、ACA(通称オバマケア)が果たしてきた役割について述べた。オバマケアの本質は、メディケイド(低所得者向けの公的保険)の加入基準を一元的に緩和するとともに、民間保険へのアクセスを改善することで、無保険者を減らすことにあった。無保険者の割合は導入前の15%から9%まで減少しており、一定の成果を挙げたと言える。 全国民が同一給付内容の公的医療保険に加入し、なおかつほぼすべての薬がその保険でカバーされるという、特異な「皆保険」制度の恩恵を受けてきた日本人の感覚からすれば、オバマケアが意図した無保険者の減少はいいことずくめにも思える。しかし、メディケイドの加入者を増やし、リスクが高い人でも民間保険に加入できるようにする以上、財政支出はどうしても増える。 支出増に対応するた...  前回6月1日号では、米国の医療制度における公的機関(連邦や州)の関与状況と、ACA(通称オバマケア)が果たしてきた役割について述べた。オバマケアの本質は、メディケイド(低所得者向けの公的保険)の加入基準を一元的に緩和するとともに、民間保険へのアクセスを改善することで、無保険者を減らすことにあった。無保険者の割合は導入前の15%から9%まで減少しており、一定の成果を挙げたと言える。 全国民が同一給付内容の公的医療保険に加入し、なおかつほぼすべての薬がその保険でカバーされるという、特異な「皆保険」制度の恩恵を受けてきた日本人の感覚からすれば、オバマケアが意図した無保険者の減少はいいことずくめにも思える。しかし、メディケイドの加入者を増やし、リスクが高い人でも民間保険に加入できるようにする以上、財政支出はどうしても増える。 支出増に対応するために

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