医政羅針盤
参照価格制度と種類別負担割合の問題点
山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰
2017年7月1日号
6月9日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」の策定過程では、いわゆる参照価格制度を巡って議論が交わされた。素案段階では、「先発医薬品価格のうち、後発医薬品価格を超える部分について、保険財政の持続可能性や適切な給付と負担の観点を踏まえ、原則自己負担とすることや後発医薬品価格まで価格を引き下げることを含め検討し、本年末までに結論を得る」との一文があったが、自民党内での議論を経て、削除された。 参照価格制度は、過去20年間にわたり、幾度となく提案されては問題点が指摘され、実現してこなかった。最近でも、「経済・財政再生計画改革工程表」で検討が求められていることから、今年に入ってから、5月17日に開催された社会保障審議会医療保険部会、5月31日に開催された中央社会保険医療協議会薬価専門部会で議論が行われたが、診療側だけでなく、支払...
6月9日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2017」の策定過程では、いわゆる参照価格制度を巡って議論が交わされた。素案段階では、「先発医薬品価格のうち、後発医薬品価格を超える部分について、保険財政の持続可能性や適切な給付と負担の観点を踏まえ、原則自己負担とすることや後発医薬品価格まで価格を引き下げることを含め検討し、本年末までに結論を得る」との一文があったが、自民党内での議論を経て、削除された。 参照価格制度は、過去20年間にわたり、幾度となく提案されては問題点が指摘され、実現してこなかった。最近でも、「経済・財政再生計画改革工程表」で検討が求められていることから、今年に入ってから、5月17日に開催された社会保障審議会医療保険部会、5月31日に開催された中央社会保険医療協議会薬価専門部会で議論が行われたが、診療側だけでなく、支払側か
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