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注目新薬と市場展望

拡大する第一三共の抗HER2薬物複合抗体

第12回

UBS証券株式会社 調査本部アナリスト 関 篤史

2017年7月15日号

 第一三共の自社開発品である抗HER2薬物複合抗体(ADC)「DS8201a」は、大きなポテンシャルがある。過去の経緯や、欧米でのミロガバリンの第Ⅲ相試験の失敗に見られるように、同社経営陣の価値最大化に対する執行リスクが最大の懸念ではあるが、今回、30年のピーク時売上高をリスク調整前で84億ドル、リスク調整後で34億ドルとした。 乳がん患者罹患数は米国24.4万人、欧州5ヵ国で25.4万人と多く、転移性乳がんだけではなくアジュバント(術後療法)適応に大きな市場機会がある。実際、「ハーセプチン」(ロシュ)の売上高(16年67.8億スイスフラン)のうち、7割はアジュバント適応で、25%は転移性適応、5%が胃がんである(会社資料より)。 第一三共は自社でADC技術を確立し、DS8201aを含む数多くの第3世代ADCをパイプライン入りさせている。一般的なADCにお...  第一三共の自社開発品である抗HER2薬物複合抗体(ADC)「DS8201a」は、大きなポテンシャルがある。過去の経緯や、欧米でのミロガバリンの第Ⅲ相試験の失敗に見られるように、同社経営陣の価値最大化に対する執行リスクが最大の懸念ではあるが、今回、30年のピーク時売上高をリスク調整前で84億ドル、リスク調整後で34億ドルとした。 乳がん患者罹患数は米国24.4万人、欧州5ヵ国で25.4万人と多く、転移性乳がんだけではなくアジュバント(術後療法)適応に大きな市場機会がある。実際、「ハーセプチン」(ロシュ)の売上高(16年67.8億スイスフラン)のうち、7割はアジュバント適応で、25%は転移性適応、5%が胃がんである(会社資料より)。 第一三共は自社でADC技術を確立し、DS8201aを含む数多くの第3世代ADCをパイプライン入りさせている。一般的なADCにおける

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