医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

眺望「医薬街道」

高齢者医薬品適正使用検討会を設置

近藤正觀

2017年7月15日号

 厚生労働省は4月に「高齢者医薬品適正使用検討会」を設置した。高齢者人口は20年には全人口の27%となり、超高齢社会の進展が加速する。 高齢者の生理機能は30〜40歳代に比べて、心拍出量係数は40%程度に落ち、標準腎血漿流量は50%程度となることが報告されている。加齢による薬物動態は消化管で50%、肝臓などの代謝で40%、腎臓などの排泄機能は50%程度に下降する。若人と同じ有効成分量を服用した場合、身体の代謝能力の低下によって、高齢者では生体内にどんどん蓄積していく。腎機能も半分になるので、排泄スピードが遅くなり、効果が過剰に現れる。このことは副作用にもつながり、適正使用されないと、転倒による骨折や、多剤併用による意識障害(ふらつき)などを起こす。 しかし、医薬品の添付文書には成人と小児の2つしか記載されていないので、高齢者は成人用で処方されているのが現...  厚生労働省は4月に「高齢者医薬品適正使用検討会」を設置した。高齢者人口は20年には全人口の27%となり、超高齢社会の進展が加速する。 高齢者の生理機能は30〜40歳代に比べて、心拍出量係数は40%程度に落ち、標準腎血漿流量は50%程度となることが報告されている。加齢による薬物動態は消化管で50%、肝臓などの代謝で40%、腎臓などの排泄機能は50%程度に下降する。若人と同じ有効成分量を服用した場合、身体の代謝能力の低下によって、高齢者では生体内にどんどん蓄積していく。腎機能も半分になるので、排泄スピードが遅くなり、効果が過剰に現れる。このことは副作用にもつながり、適正使用されないと、転倒による骨折や、多剤併用による意識障害(ふらつき)などを起こす。 しかし、医薬品の添付文書には成人と小児の2つしか記載されていないので、高齢者は成人用で処方されているのが現状だ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence