医薬経済オンライン

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読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

小説だが産科医療補償制度のガイドに

第77回

鍛冶孝雄

2017年7月15日号

 06年8月と07年7月に奈良県で起きた、産科医療に関する“事件”を記憶している人も多いのではないかと思う。前者は、大淀町立病院で、子癇を起こした妊婦が脳出血となり高次医療機関への搬送に手間取った例。出産は行われたが、妊婦は亡くなった。 後者は、ショッピングセンターで破水した妊婦が、搬送先がなかなか見つからずに結局流産してしまった件。いずれもメディアは当初、いわゆる「たらい回し」という観点で、批判的に報じた。前者は訴訟に至ったが、子癇と脳出血の関係が不透明だとして、医療機関側の責任は問われなかった。 後者について読書子の私は、搬送受け入れを断った病院の産科医から話を聞いたことがある。ショッピングセンターで産気付いた女性は、出産前検診を一度も受けたことがなく、母子手帳も持っていなかった。話をしてくれた医師は、こうした妊婦を受け入れること自体が、...  06年8月と07年7月に奈良県で起きた、産科医療に関する“事件”を記憶している人も多いのではないかと思う。前者は、大淀町立病院で、子癇を起こした妊婦が脳出血となり高次医療機関への搬送に手間取った例。出産は行われたが、妊婦は亡くなった。 後者は、ショッピングセンターで破水した妊婦が、搬送先がなかなか見つからずに結局流産してしまった件。いずれもメディアは当初、いわゆる「たらい回し」という観点で、批判的に報じた。前者は訴訟に至ったが、子癇と脳出血の関係が不透明だとして、医療機関側の責任は問われなかった。 後者について読書子の私は、搬送受け入れを断った病院の産科医から話を聞いたことがある。ショッピングセンターで産気付いた女性は、出産前検診を一度も受けたことがなく、母子手帳も持っていなかった。話をしてくれた医師は、こうした妊婦を受け入れること自体が、自分

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