医薬経済オンライン

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平時医療体制の破錠に備える~電光石火こそ最良の有事医療~

AED神話の弊害から脱却せよ

第32回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2017年7月15日号

 心臓が停止したら人は死に至る。しかし、心臓の疾患、感電、低体温、溺水や生き埋めによる窒息などを原因とした「非外傷性心肺停止」と、外傷による出血を原因とする「外傷性心肺停止」では、救命の考え方もアプローチも真逆と言えるほど異なる。 それにもかかわらず、第24回(17年3月15日号)で述べたように、日本での「救命」の取り組みは、主に非外傷性心肺停止を対象として行われており、外傷性心肺停止への取り組みはほとんどなされていない。 この現状では、銃創、爆傷、刃物による致命的な外傷を多発させるテロにおいて、最大救命はほとんど期待できない。 季節柄、熱中症による心肺停止状態の蘇生法教育が熱心に行われている。しかし、熱中症による心肺停止は外傷性心肺停止と似た原因であることが多く、胸骨圧迫や人工呼吸、AED(Automated External Defibrillators=自動体外式除細動...  心臓が停止したら人は死に至る。しかし、心臓の疾患、感電、低体温、溺水や生き埋めによる窒息などを原因とした「非外傷性心肺停止」と、外傷による出血を原因とする「外傷性心肺停止」では、救命の考え方もアプローチも真逆と言えるほど異なる。 それにもかかわらず、第24回(17年3月15日号)で述べたように、日本での「救命」の取り組みは、主に非外傷性心肺停止を対象として行われており、外傷性心肺停止への取り組みはほとんどなされていない。 この現状では、銃創、爆傷、刃物による致命的な外傷を多発させるテロにおいて、最大救命はほとんど期待できない。 季節柄、熱中症による心肺停止状態の蘇生法教育が熱心に行われている。しかし、熱中症による心肺停止は外傷性心肺停止と似た原因であることが多く、胸骨圧迫や人工呼吸、AED(Automated External Defibrillators=自動体外式除細動器

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