薬剤経済学
市場では画一的でない〝価値〟
第6回 CEAに拠らない評価
2017年7月15日号
LDLコレステロール50%削減は、治療1年で1.2万~1.7万ドルの社会的価値がある――。南カリフォルニア大学レオナードD.シェイファー医療政策・経済センターのチームとハーバード大学のA.ジーナによる、PCSK9阻害剤を例にした新薬擁護論はそう説く(「心臓イベントのリスクが高い患者における脂質改善の価値」アメリカン・ジャーナル・オブ・マネジド・ケア2016年6月)。 心筋梗塞と脳卒中のリスク緩和だけで正味1万ドルの新薬費用を上回る節減になるうえに、低推計12.7年、高推計14.9年の余命追加を価値として積算している(表1)。広く提供されるなら、2015~2035年に米国で190万~280万件の死亡を回避し、その社会価値総額は3.4兆~5.1兆ドル、スタチン剤の10年1兆ドルを圧倒する、という主張だ。 これは費用対効果分析(CEA)を排除した新薬...
LDLコレステロール50%削減は、治療1年で1.2万~1.7万ドルの社会的価値がある――。南カリフォルニア大学レオナードD.シェイファー医療政策・経済センターのチームとハーバード大学のA.ジーナによる、PCSK9阻害剤を例にした新薬擁護論はそう説く(「心臓イベントのリスクが高い患者における脂質改善の価値」アメリカン・ジャーナル・オブ・マネジド・ケア2016年6月)。 心筋梗塞と脳卒中のリスク緩和だけで正味1万ドルの新薬費用を上回る節減になるうえに、低推計12.7年、高推計14.9年の余命追加を価値として積算している(表1)。広く提供されるなら、2015~2035年に米国で190万~280万件の死亡を回避し、その社会価値総額は3.4兆~5.1兆ドル、スタチン剤の10年1兆ドルを圧倒する、という主張だ。 これは費用対効果分析(CEA)を排除した新薬擁護
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