医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~

「標準治療」は受けるべきか 麻央さん巡る記事への違和感

第43回

鳥集徹

2017年8月1日号

 乳がん闘病の末、亡くなった小林麻央さんの受けた「がん治療」について、ネット上でちょっとした議論が起こっている。きっかけは、小林さんが標準治療を受けず、気功などの民間療法に頼ったとして、『週刊新潮』が「『海老蔵』は三度過ちを犯した!」と痛烈に批判したことだ(「『小林麻央』の命を奪った忌まわしき『民間療法』」17年7月6日号)。  この問題を取り上げた医師のブログや記事を読むと、妻を亡くしたばかりの市川海老蔵さんに対して、「過ち」などという心ない言葉をぶつける新潮に対して、憤りの声を上げる内容が多かった。筆者も本当にそう思う。いくら「売れてナンボ」の週刊誌だからといって、悲しみに暮れる遺族の傷をえぐるような見出しをつけるのは、言葉を大切に扱うべき伝統ある出版社がするべきことではない。 一方で、がん患者を食い物にする民間療法を厳しく指弾し、科...  乳がん闘病の末、亡くなった小林麻央さんの受けた「がん治療」について、ネット上でちょっとした議論が起こっている。きっかけは、小林さんが標準治療を受けず、気功などの民間療法に頼ったとして、『週刊新潮』が「『海老蔵』は三度過ちを犯した!」と痛烈に批判したことだ(「『小林麻央』の命を奪った忌まわしき『民間療法』」17年7月6日号)。  この問題を取り上げた医師のブログや記事を読むと、妻を亡くしたばかりの市川海老蔵さんに対して、「過ち」などという心ない言葉をぶつける新潮に対して、憤りの声を上げる内容が多かった。筆者も本当にそう思う。いくら「売れてナンボ」の週刊誌だからといって、悲しみに暮れる遺族の傷をえぐるような見出しをつけるのは、言葉を大切に扱うべき伝統ある出版社がするべきことではない。 一方で、がん患者を食い物にする民間療法を厳しく指弾し、科学的

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence