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鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~

「マイクロRNA」がん検査3年での実用化は早すぎないか?

第44回

鳥集徹

2017年8月15日号

 本当に血液1滴の検査で、がんによる「早死に」を防ぐことができるのだろうか。 気になるニュースが流れた。国立がん研究センターの研究倫理審査委員会が7月中旬に、細胞から血液中に分泌される微小物質「マイクロRNA」を活用した検査に関する臨床研究の実施を許可した。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行うという。 これを報じた「読売新聞」(17年7月24日)の記事によると、研究グループは乳がんや肺がんなど13種類のがんで、それぞれに固有の「マイクロRNA」を特定。ステージⅠの早期がんを含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できたのだそうだ。「1度に複数の種類のがんを早期発見できる検査法はこれまでなく、人間ドックなどに導入されれば、がんによる死亡を減らせる可能性がある」と記事には書かれている。 だが、この研究をここまで持ち上げてしまっていいのか。筆者も...  本当に血液1滴の検査で、がんによる「早死に」を防ぐことができるのだろうか。 気になるニュースが流れた。国立がん研究センターの研究倫理審査委員会が7月中旬に、細胞から血液中に分泌される微小物質「マイクロRNA」を活用した検査に関する臨床研究の実施を許可した。早ければ3年以内に国に事業化の申請を行うという。 これを報じた「読売新聞」(17年7月24日)の記事によると、研究グループは乳がんや肺がんなど13種類のがんで、それぞれに固有の「マイクロRNA」を特定。ステージⅠの早期がんを含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できたのだそうだ。「1度に複数の種類のがんを早期発見できる検査法はこれまでなく、人間ドックなどに導入されれば、がんによる死亡を減らせる可能性がある」と記事には書かれている。 だが、この研究をここまで持ち上げてしまっていいのか。筆者も、

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