医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

「FIC」が支配する新薬

第83回 待ち受ける2つの「地獄」とは

生島准

2017年8月15日号

 全世界で臨床開発中の6321もの新薬候補品の何と74%がファーストインクラス(FIC)であると米国研究製薬工業協会(PhRMA)が7月18日に調査結果を発表した。しかし、アンメットニーズを満たす新しい創薬標的をめざしたFIC開発は決してバラ色の未来ばかりではない。そこには大きな口を開けて2つの地獄が待っている。 FICの増加の背景には、03年4月にヒトの全ゲノム解読が完成、14年3月にヒト・ゲノム解析を1000ドル以下で可能にしたことがある。今では全世界で100万人以上のゲノム解析が完了していると推定されている。この結果、疾患に関係する遺伝子変異が次々と見つかり、抗体や低分子の阻害剤開発に拍車が掛かった。抗体医薬や遺伝子治療、核酸医薬、中分子薬、再生医療など新しいバイオ医薬群もFICの開発を加速させる。 今回の調査は、PhRMAから委託を受け...  全世界で臨床開発中の6321もの新薬候補品の何と74%がファーストインクラス(FIC)であると米国研究製薬工業協会(PhRMA)が7月18日に調査結果を発表した。しかし、アンメットニーズを満たす新しい創薬標的をめざしたFIC開発は決してバラ色の未来ばかりではない。そこには大きな口を開けて2つの地獄が待っている。 FICの増加の背景には、03年4月にヒトの全ゲノム解読が完成、14年3月にヒト・ゲノム解析を1000ドル以下で可能にしたことがある。今では全世界で100万人以上のゲノム解析が完了していると推定されている。この結果、疾患に関係する遺伝子変異が次々と見つかり、抗体や低分子の阻害剤開発に拍車が掛かった。抗体医薬や遺伝子治療、核酸医薬、中分子薬、再生医療など新しいバイオ医薬群もFICの開発を加速させる。 今回の調査は、PhRMAから委託を受けた米

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