移植医・大島伸一回顧録
拒絶反応
第4回
ノンフィクション・ライター 髙橋幸春
2017年8月15日号
中京病院での移植3例目は、母一人子一人の家族だった。母親がドナーで、30歳代の息子がレシピエントだ。今回も、大島伸一がドナーを、岩月舜三郎がレシピエントを担当した。 移植手術は順調に進められ、ドナーにもレシピエントにも技術的な問題は何もなかった。 腎臓移植は、手術そのものの難易度が高い。血管吻合には高度な技術が要求される。人工透析を長期間受けている患者は、動脈硬化が進んでいて、腎臓を移植する腸骨動脈がボロボロになっていることが少なくない。長期間、腎臓が尿をつくっていなかったために膀胱はピンポン玉ほどに萎縮しており、そこに移植した腎臓から伸びる尿管をつながなければならない。 3例目も、移植術自体は問題なく終了した。 次に大切なのは、術後のレシピエントの管理だ。移植臓器に対してレシピエントの体内では例外なく免疫拒絶反応が起きる。 拒絶反応に...
中京病院での移植3例目は、母一人子一人の家族だった。母親がドナーで、30歳代の息子がレシピエントだ。今回も、大島伸一がドナーを、岩月舜三郎がレシピエントを担当した。 移植手術は順調に進められ、ドナーにもレシピエントにも技術的な問題は何もなかった。 腎臓移植は、手術そのものの難易度が高い。血管吻合には高度な技術が要求される。人工透析を長期間受けている患者は、動脈硬化が進んでいて、腎臓を移植する腸骨動脈がボロボロになっていることが少なくない。長期間、腎臓が尿をつくっていなかったために膀胱はピンポン玉ほどに萎縮しており、そこに移植した腎臓から伸びる尿管をつながなければならない。 3例目も、移植術自体は問題なく終了した。 次に大切なのは、術後のレシピエントの管理だ。移植臓器に対してレシピエントの体内では例外なく免疫拒絶反応が起きる。 拒絶反応には急
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