医薬経済オンライン

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読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

肖像画に隠された疾患の謎

第79回

鍛冶孝雄

2017年8月15日号

 歴史教科書に出てくる、源頼朝や武田信玄、織田信長などの肖像画を見るとき、とくに武将に共通するのだが、何となく右向きの顔が普通のように思え、たまに左向きの肖像画に遭遇すると、わずかだが面食らうような、居心地の悪さを感じる。その理由は、肖像画は、描いてもらう本人がほとんどの場合、右向きをリクエストするからなんだそうである。ちょっと驚く、意外な理由があるものだ。 なぜ右向きなのか。ヒトの顔は左右非対称。それは赤ん坊のときから右向きに寝る子どもが多く、そのためにしばしば右の後頭部がへしゃげて(斜頭というらしい)、顔の右半分がゆがむ。成長とともに矯正はされるのだが、どうしても左側の顔のほうが見栄えがいいように本人は思うというのが、右向きのポーズをとることにつながる。 これは歴史家には通説なのだそうで、絵師に描かせる場合は右向きポーズ、本人の死後...  歴史教科書に出てくる、源頼朝や武田信玄、織田信長などの肖像画を見るとき、とくに武将に共通するのだが、何となく右向きの顔が普通のように思え、たまに左向きの肖像画に遭遇すると、わずかだが面食らうような、居心地の悪さを感じる。その理由は、肖像画は、描いてもらう本人がほとんどの場合、右向きをリクエストするからなんだそうである。ちょっと驚く、意外な理由があるものだ。 なぜ右向きなのか。ヒトの顔は左右非対称。それは赤ん坊のときから右向きに寝る子どもが多く、そのためにしばしば右の後頭部がへしゃげて(斜頭というらしい)、顔の右半分がゆがむ。成長とともに矯正はされるのだが、どうしても左側の顔のほうが見栄えがいいように本人は思うというのが、右向きのポーズをとることにつながる。 これは歴史家には通説なのだそうで、絵師に描かせる場合は右向きポーズ、本人の死後か周

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