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OBSERVER

元日本医師会会長・植松治雄

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2017年9月1日号

きれいごとで「在宅」を唱えるな──日本医師会長を退任してから11年が経ちますが。植松 私が会長の頃(04~06年)は自民党の小泉政権と対峙していて緊張感があった。けど、今の日医は安倍政権とベッタリで、厚生労働省の言いなり。その遠因のひとつが、官僚組織の幹部人事を内閣府が握っていることにある。以来、官僚は外に向かっては強面で接してくるが、一方で官邸の顔色をうかがって仕事をしている。従来のような官僚のプライドもなくなっているのに妙に強気だ。──植松さんも今年86歳になりましたが、心境の変化は。植松 若い頃には死と向き合っていないので、わからないことがたくさんあったが、死を目前にすると変わってきた。子どもに迷惑をかけたくないとか、逆に死に場所や終末期にどんな医療を受けるかが心配になってくる。──国は地域包括ケアの体制を進め、在宅での看取りが進んでいる。植松... きれいごとで「在宅」を唱えるな──日本医師会長を退任してから11年が経ちますが。植松 私が会長の頃(04~06年)は自民党の小泉政権と対峙していて緊張感があった。けど、今の日医は安倍政権とベッタリで、厚生労働省の言いなり。その遠因のひとつが、官僚組織の幹部人事を内閣府が握っていることにある。以来、官僚は外に向かっては強面で接してくるが、一方で官邸の顔色をうかがって仕事をしている。従来のような官僚のプライドもなくなっているのに妙に強気だ。──植松さんも今年86歳になりましたが、心境の変化は。植松 若い頃には死と向き合っていないので、わからないことがたくさんあったが、死を目前にすると変わってきた。子どもに迷惑をかけたくないとか、逆に死に場所や終末期にどんな医療を受けるかが心配になってくる。──国は地域包括ケアの体制を進め、在宅での看取りが進んでいる。植松 命

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