HOLMES & VACCINE
切り札も失った製薬業界
第55回 ~どこで躓いたのか~
コイツ・ドナン
2017年9月1日号
【あらすじ】医薬品探偵ホームズと友人のワクチン博士は日本の製薬企業の将来像を推理している。日本企業は抗生物質バブルで研究開発力を強化しながら、消化器官用薬領域などでブロックバスターを生み出す努力を続けてきた。さらにホームズは糖尿病治療薬について振り返ったうえで、糖尿病と関連する肥満を取り上げ、開発に挑んだ企業の苦闘と挫折を解説した。続いてホームズとワクチン博士は、医療保険で課題となる抗がん剤を取り上げた。ホームズによると、戦後の一時期、日本は抗がん剤の開発と製品化で世界をリードしていたという。しかし、ホームズは「クレスチン」と「ピシバニール」の薬効が確認できなかったことで、抗がん剤の開発を躊躇した企業が続出したと指摘した。その一方で、台頭してきた生活習慣病薬に経営資源を注ぎ込んで、一時代を築いた。 日も落ちてきた。秋葉原の電気街の灯り...
【あらすじ】医薬品探偵ホームズと友人のワクチン博士は日本の製薬企業の将来像を推理している。日本企業は抗生物質バブルで研究開発力を強化しながら、消化器官用薬領域などでブロックバスターを生み出す努力を続けてきた。さらにホームズは糖尿病治療薬について振り返ったうえで、糖尿病と関連する肥満を取り上げ、開発に挑んだ企業の苦闘と挫折を解説した。続いてホームズとワクチン博士は、医療保険で課題となる抗がん剤を取り上げた。ホームズによると、戦後の一時期、日本は抗がん剤の開発と製品化で世界をリードしていたという。しかし、ホームズは「クレスチン」と「ピシバニール」の薬効が確認できなかったことで、抗がん剤の開発を躊躇した企業が続出したと指摘した。その一方で、台頭してきた生活習慣病薬に経営資源を注ぎ込んで、一時代を築いた。 日も落ちてきた。秋葉原の電気街の灯りが眩
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