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平時医療体制の破錠に備える~電光石火こそ最良の有事医療~

爆傷のメカニズム

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2017年9月1日号

 前回8月15日号で紹介した爆発物と爆傷の5分類に引き続き、今回は爆傷のメカニズムについて述べたい。 爆発に巻き込まれると、人体に届いた衝撃波により発生する引張波と剪断波により岩盤破砕に見られる破片剥離現象が体内で発生し、組織の内部崩壊が起こる。 人体における破片剥離現象は、衝撃波が組織から液体、組織から気体などの密度の違う媒体を通過する際に生じ、微細でありながらも深刻な創傷を形成する。●肺爆傷 肺は細胞に酸素を送り込み不要となった二酸化炭素を排出する機能(ガス交換)を司る、心臓に次ぐ重要な臓器であるため、肺爆傷はおしなべて致死率が高く、即死を除き爆傷を原因とする死因のトップである。事故を含む爆傷傷病者828人のうち17%が、肺爆傷が原因で死亡した事例もあり、イスラエルで00年9月から01年12月の間に発生した爆破テロでは31%が肺に爆傷を負っている...  前回8月15日号で紹介した爆発物と爆傷の5分類に引き続き、今回は爆傷のメカニズムについて述べたい。 爆発に巻き込まれると、人体に届いた衝撃波により発生する引張波と剪断波により岩盤破砕に見られる破片剥離現象が体内で発生し、組織の内部崩壊が起こる。 人体における破片剥離現象は、衝撃波が組織から液体、組織から気体などの密度の違う媒体を通過する際に生じ、微細でありながらも深刻な創傷を形成する。●肺爆傷 肺は細胞に酸素を送り込み不要となった二酸化炭素を排出する機能(ガス交換)を司る、心臓に次ぐ重要な臓器であるため、肺爆傷はおしなべて致死率が高く、即死を除き爆傷を原因とする死因のトップである。事故を含む爆傷傷病者828人のうち17%が、肺爆傷が原因で死亡した事例もあり、イスラエルで00年9月から01年12月の間に発生した爆破テロでは31%が肺に爆傷を負っている。

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