現場が望む社会保障制度
原則から考える介護保険改革の方向性
第28回
東京財団研究員兼政策プロデューサー 三原 岳
2017年9月1日号
介護保険制度を考えるシリーズの第4回は改革の方向性を検討する。介護保険の給付費は高齢化の影響で増加しており、持続可能性を高める制度改革が求められているが、過去3回で述べた制度の原則を踏まえると、どんな方向性や選択肢が想定されるのだろうか。実現性や最近の制度改革の動向は度外視し、介護保険の原則に沿った制度改革の方向性を考察したい。高齢者の保険料上げは限界 まず、介護保険の予算規模を確認しよう。制度創設時の00年度、自己負担を含む総予算は約3.6兆円だったが、最新データである15年度で約9.8兆円に達した(図)。その理由は高齢化の進展に伴う要介護者の増加であり、認定者数は約2.7倍に増えた。 その結果、私たちの負担はどうなっているだろうか。介護保険料は3年に1度更新されており、その額は増加し続けている。例えば、65歳以上の第1号被保険者が支払う全国...
介護保険制度を考えるシリーズの第4回は改革の方向性を検討する。介護保険の給付費は高齢化の影響で増加しており、持続可能性を高める制度改革が求められているが、過去3回で述べた制度の原則を踏まえると、どんな方向性や選択肢が想定されるのだろうか。実現性や最近の制度改革の動向は度外視し、介護保険の原則に沿った制度改革の方向性を考察したい。高齢者の保険料上げは限界 まず、介護保険の予算規模を確認しよう。制度創設時の00年度、自己負担を含む総予算は約3.6兆円だったが、最新データである15年度で約9.8兆円に達した(図)。その理由は高齢化の進展に伴う要介護者の増加であり、認定者数は約2.7倍に増えた。 その結果、私たちの負担はどうなっているだろうか。介護保険料は3年に1度更新されており、その額は増加し続けている。例えば、65歳以上の第1号被保険者が支払う全国平
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