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「発想の転換」が必要な診療報酬と薬価の改定
2017年9月1日号
厚生労働省の初代医務技監に就任した鈴木康裕氏が、「次回診療報酬の改定財源は薬価引き下げで充当せざるを得ないのではないか」との考えを示した。医療保険財政の現状から、診療報酬の改定には、薬価引き下げ分を充当するという従来の財政中立的な考え方が、最も常識的な対応策であり、それ以外の具体策は探してもなかなか難しいとは思う。 診療報酬改定の過去を振り返ると、極端に言えば薬の値段(薬価基準)を下げて診療報酬(医師の技術料)を上げるという作業を繰り返したに過ぎない。 65年から13年の約50年間で国民医療費は、約1.1兆円から約40兆円へと35.7倍に膨張した。薬剤費は、約4300億円から約8.9兆円へと21倍に増加した。一方、薬剤比率は、約38%から22%へと大幅に下落した。薬価の推定乖離率(薬価差)は、93年の19.6%から13年の20年間で8.2%へと11%以上もの大幅な縮...
厚生労働省の初代医務技監に就任した鈴木康裕氏が、「次回診療報酬の改定財源は薬価引き下げで充当せざるを得ないのではないか」との考えを示した。医療保険財政の現状から、診療報酬の改定には、薬価引き下げ分を充当するという従来の財政中立的な考え方が、最も常識的な対応策であり、それ以外の具体策は探してもなかなか難しいとは思う。 診療報酬改定の過去を振り返ると、極端に言えば薬の値段(薬価基準)を下げて診療報酬(医師の技術料)を上げるという作業を繰り返したに過ぎない。 65年から13年の約50年間で国民医療費は、約1.1兆円から約40兆円へと35.7倍に膨張した。薬剤費は、約4300億円から約8.9兆円へと21倍に増加した。一方、薬剤比率は、約38%から22%へと大幅に下落した。薬価の推定乖離率(薬価差)は、93年の19.6%から13年の20年間で8.2%へと11%以上もの大幅な縮小
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