医師の超高額な「非証明治療」国は本気で法規制検討を

鳥集徹の口に苦い話～媚びないジャーナリストの劇薬処方箋～

第46回

鳥集徹

2017年9月15日号

　市川海老蔵さんの妻、故・小林麻央さんが通っていたことで知られる表参道首藤クリニック院長の首藤紳介医師が８月27日に逮捕され、大きく報道された。　首藤医師は保険診療に拘らず、点滴療法、温熱療法、食事療法、鍼灸などの代替療法を積極的に行っていた。「週刊文春」（19年９月７日号）の記事によると、乳がんを患っていた小林さんも、このクリニックで高濃度水素水を使った温熱療法を受けていたそうだ。　彼女に限らず多くのがん患者が、代替療法などの「非証明治療」を利用している。少し古いデータだが、厚生労働省研究班が05年に公表した調査結果によると、がん患者の44.0６％が、何らかの代替療法を利用していた。　こうした状況を不愉快に思っているがん専門医は多い。エビデンスがないのに「がんに効果がある」かのように宣伝しているだけでなく、藁にも縋る思いでいる患者や家族から高額... 　市川海老蔵さんの妻、故・小林麻央さんが通っていたことで知られる表参道首藤クリニック院長の首藤紳介医師が８月27日に逮捕され、大きく報道された。　首藤医師は保険診療に拘らず、点滴療法、温熱療法、食事療法、鍼灸などの代替療法を積極的に行っていた。「週刊文春」（19年９月７日号）の記事によると、乳がんを患っていた小林さんも、このクリニックで高濃度水素水を使った温熱療法を受けていたそうだ。　彼女に限らず多くのがん患者が、代替療法などの「非証明治療」を利用している。少し古いデータだが、厚生労働省研究班が05年に公表した調査結果によると、がん患者の44.0６％が、何らかの代替療法を利用していた。　こうした状況を不愉快に思っているがん専門医は多い。エビデンスがないのに「がんに効果がある」かのように宣伝しているだけでなく、藁にも縋る思いでいる患者や家族から高額な治

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