医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

CART療法の衝撃

第84回 夢は膨らむが問題も山積み

生島准

2017年9月15日号

 天候不順な夏の終わりに、再生医療は第2段階に突入した。8月30日、ついに人為的に改変した細胞が医薬品として、米国で認可されたのだ。 その第1号製品が、スイス・ノバルティスのキメラ抗原受容体T(CART)細胞「キムリア」(CTL019)である。適応は小児と成人の再発・難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病だ。CTL019はB細胞性急性白血病患者に対して奏効率が90%を超える圧倒的な数字を治験でたたき出した。しかも、84%の患者が完全寛解に達した。決定的な治療法がなかった急性白血病の治療薬のまさに「特効薬」なのである。 米国食品医薬品局(FDA)は、ノバルティスが全世界で行った国際共同治験(ELIANA試験)のデータで認可した。日本の患者も参加した、この試験はB細胞性急性白血病患者68人(実際に評価できたのは63人)を対象に行われた。年内に日本でも承...  天候不順な夏の終わりに、再生医療は第2段階に突入した。8月30日、ついに人為的に改変した細胞が医薬品として、米国で認可されたのだ。 その第1号製品が、スイス・ノバルティスのキメラ抗原受容体T(CART)細胞「キムリア」(CTL019)である。適応は小児と成人の再発・難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病だ。CTL019はB細胞性急性白血病患者に対して奏効率が90%を超える圧倒的な数字を治験でたたき出した。しかも、84%の患者が完全寛解に達した。決定的な治療法がなかった急性白血病の治療薬のまさに「特効薬」なのである。 米国食品医薬品局(FDA)は、ノバルティスが全世界で行った国際共同治験(ELIANA試験)のデータで認可した。日本の患者も参加した、この試験はB細胞性急性白血病患者68人(実際に評価できたのは63人)を対象に行われた。年内に日本でも承認申

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