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平時医療体制の破錠に備える~電光石火こそ最良の有事医療~

仕様書に〝殺される〟陸上自衛官

第36回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2017年9月15日号

 今年に入り、陸上自衛隊員個人携行救急品の内容品の充実が図られ、一般隊員にも「救急絆創膏、胸部用」、いわゆるチェストシールが支給されるようになった。ところが、支給されるモデルは命に関わる欠点を改良したものではない。 グラフにあるとおり、ベトナム戦争から対テロ戦争までの間に戦場医学は急速な進歩を遂げた。「戦死」とは戦傷により治療施設に収容される前に死亡したもの、「戦傷死」とは作戦地域外の後方治療施設に収容された後に死亡したものを指す。「防ぎえた死」とは、適切な対応により回避可能な外傷死であり「戦死」に分類される。「戦傷死」は治療施設に収容後、手を尽くしたものの死亡したので、防ぎえた死には含めない。 第一線における救命のための教育、資材の充実により、防ぎえた死の割合が14%から21%と1.5倍に増加している。治療・後送のシステムが進歩したため、戦...  今年に入り、陸上自衛隊員個人携行救急品の内容品の充実が図られ、一般隊員にも「救急絆創膏、胸部用」、いわゆるチェストシールが支給されるようになった。ところが、支給されるモデルは命に関わる欠点を改良したものではない。 グラフにあるとおり、ベトナム戦争から対テロ戦争までの間に戦場医学は急速な進歩を遂げた。「戦死」とは戦傷により治療施設に収容される前に死亡したもの、「戦傷死」とは作戦地域外の後方治療施設に収容された後に死亡したものを指す。「防ぎえた死」とは、適切な対応により回避可能な外傷死であり「戦死」に分類される。「戦傷死」は治療施設に収容後、手を尽くしたものの死亡したので、防ぎえた死には含めない。 第一線における救命のための教育、資材の充実により、防ぎえた死の割合が14%から21%と1.5倍に増加している。治療・後送のシステムが進歩したため、戦傷

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