審査建言
「一罰百戒的」な薬事行政の是非
医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩
2017年9月15日号
厚生労働省の怒りがまた、17年6月の医薬・生活衛生局長通知「医薬品の製造販売業者における三役の適切な業務実施について」で、医薬品業界に向けられた。違反をした当事者たちはさておき、普段からまじめに薬事関係法規を遵守してきた大部分の医薬品製造販売関係者はこの通知を読んでため息が出たに違いない。 確かに、ここ数年、承認や一部変更承認を得ることなく、勝手に製造方法や、原料の輸入先を変更したり、副作用報告を怠ったり、広告違反を行ったりする例が繰り返し報道された。そのたびに、厚労省は法令の遵守を関係業界に求めてきた。 ごく一部の業者が法令違反を行ったことにより、そのほかの業者が一罰百戒的に厳しい咎めを受ける例がこのところ増加している。性善説というよりは性悪説によるものだろう。中学や高校で、一部の生徒が校則違反などをしたためにまったく罪のない生徒たち...
厚生労働省の怒りがまた、17年6月の医薬・生活衛生局長通知「医薬品の製造販売業者における三役の適切な業務実施について」で、医薬品業界に向けられた。違反をした当事者たちはさておき、普段からまじめに薬事関係法規を遵守してきた大部分の医薬品製造販売関係者はこの通知を読んでため息が出たに違いない。 確かに、ここ数年、承認や一部変更承認を得ることなく、勝手に製造方法や、原料の輸入先を変更したり、副作用報告を怠ったり、広告違反を行ったりする例が繰り返し報道された。そのたびに、厚労省は法令の遵守を関係業界に求めてきた。 ごく一部の業者が法令違反を行ったことにより、そのほかの業者が一罰百戒的に厳しい咎めを受ける例がこのところ増加している。性善説というよりは性悪説によるものだろう。中学や高校で、一部の生徒が校則違反などをしたためにまったく罪のない生徒たちまで
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