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大日本住友が迎えた「正念場」

19年度は「赤字回避」か「健全なる赤字」か

(株)薬新 井高恭彦

2017年9月15日号

 大日本住友製薬の収益を支えてきた非定型抗精神病薬「ラツーダ」(一般名=ルラシドン)の米国での特許期間が19年1月に満了となる。しかし、その谷を埋める対策は万全とは言い難い。最も期待を寄せていた抗がん剤「ナパブカシン」は先頭を走っていた胃がんの試験が今年6月に中止、現在継続中の結腸直腸がんと膵がんの試験が成功しても発売は早くて20年以降だ。 ラツーダは11年2月の米国発売以来、右肩上がりで伸長し、売上高1000億円を超えるブロックバスターに成長した。しかし、米国特許切れで17年度をピーク(見込み数値1629億円)に縮小に転ずる見通しだ。大日本住友は17年度決算で650億円の過去最高の営業利益を見込んでいるが、ラツーダの特許切れ対策が不十分のままなら19年度は数百億円の営業赤字を計上する可能性もある。 多田正世氏が代表取締役社長に就任したのは08年6月...  大日本住友製薬の収益を支えてきた非定型抗精神病薬「ラツーダ」(一般名=ルラシドン)の米国での特許期間が19年1月に満了となる。しかし、その谷を埋める対策は万全とは言い難い。最も期待を寄せていた抗がん剤「ナパブカシン」は先頭を走っていた胃がんの試験が今年6月に中止、現在継続中の結腸直腸がんと膵がんの試験が成功しても発売は早くて20年以降だ。 ラツーダは11年2月の米国発売以来、右肩上がりで伸長し、売上高1000億円を超えるブロックバスターに成長した。しかし、米国特許切れで17年度をピーク(見込み数値1629億円)に縮小に転ずる見通しだ。大日本住友は17年度決算で650億円の過去最高の営業利益を見込んでいるが、ラツーダの特許切れ対策が不十分のままなら19年度は数百億円の営業赤字を計上する可能性もある。 多田正世氏が代表取締役社長に就任したのは08年6月。18

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