製薬企業の経営診断
高成長を生んだ戦略の一貫性
―アステラス、大手他社と収益で差を広げる―
2017年10月1日号
アステラス製薬は山之内製薬と藤沢薬品が05年4月に合併、誕生した。合併直前の04年度の売上高は山之内が業界4位、藤沢が5位、営業利益は山之内が2位、藤沢が4位で、業界初の大型合併だった。両社は研究開発型、70年代後半からの積極的海外戦略という点で共通していた。ただ、創薬では山之内が合成医薬、藤沢が天然物医薬に強みがあり、海外は山之内が欧州、藤沢は米国に強いという違いもあり、相互補完が期待できる組み合わせとされた。 その評価は実績で示された。スタートから11年を経ているが、この間に業界環境は大きく変わっている。大手各社は主力品の特許切れ、需要構造の変化などの荒波にもまれた。各社は特許切れの影響を受け収益は落ち込んだが、立ち直りはアステラスと他大手で大きな違いを見せた。アステラスの初年度に当たる05年度と16年度で比較すれば明らかである。 アステラス...
アステラス製薬は山之内製薬と藤沢薬品が05年4月に合併、誕生した。合併直前の04年度の売上高は山之内が業界4位、藤沢が5位、営業利益は山之内が2位、藤沢が4位で、業界初の大型合併だった。両社は研究開発型、70年代後半からの積極的海外戦略という点で共通していた。ただ、創薬では山之内が合成医薬、藤沢が天然物医薬に強みがあり、海外は山之内が欧州、藤沢は米国に強いという違いもあり、相互補完が期待できる組み合わせとされた。 その評価は実績で示された。スタートから11年を経ているが、この間に業界環境は大きく変わっている。大手各社は主力品の特許切れ、需要構造の変化などの荒波にもまれた。各社は特許切れの影響を受け収益は落ち込んだが、立ち直りはアステラスと他大手で大きな違いを見せた。アステラスの初年度に当たる05年度と16年度で比較すれば明らかである。 アステラスは12
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録