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時流遡航

夢想愚考―わがこころの旅路

第17回 ─若狭の画家、渡辺淳さんの急逝を悼む─

本田成親

2017年10月1日号

 8月14日の午後のこと、福井県出身の作家・水上勉氏ゆかりの施設「若州一滴文庫」で長年竹紙漉きをやっておられる西村さんという方から突然電話が掛かってきた。長年の親交はあるものの、よほどのことでもないかぎり電話を掛けてこられる方ではないので、一瞬、悪い予感が胸中に湧き上がった。そして、その予感は的中してしまった。耳元に響き伝わったのは、「渡辺淳さんが今朝急逝されました」という訃報の一言だった。 受話器を置いた私は、無言のままでしばしその場に腰を下ろした。そんな私の脳裏に甦ったのは、親しい人の死に伴うべきはずの悼みの感情を超越した、言葉には尽くし難い不思議な思念の数々だった。 渡辺淳さんは知る人ぞ知る福井県大飯町在住の著名な画家で、終始自然体のままでその生に向き合うとても心温かい人物として地元の誰からも敬愛されていた。また、若狭一帯の景観やそ...  8月14日の午後のこと、福井県出身の作家・水上勉氏ゆかりの施設「若州一滴文庫」で長年竹紙漉きをやっておられる西村さんという方から突然電話が掛かってきた。長年の親交はあるものの、よほどのことでもないかぎり電話を掛けてこられる方ではないので、一瞬、悪い予感が胸中に湧き上がった。そして、その予感は的中してしまった。耳元に響き伝わったのは、「渡辺淳さんが今朝急逝されました」という訃報の一言だった。 受話器を置いた私は、無言のままでしばしその場に腰を下ろした。そんな私の脳裏に甦ったのは、親しい人の死に伴うべきはずの悼みの感情を超越した、言葉には尽くし難い不思議な思念の数々だった。 渡辺淳さんは知る人ぞ知る福井県大飯町在住の著名な画家で、終始自然体のままでその生に向き合うとても心温かい人物として地元の誰からも敬愛されていた。また、若狭一帯の景観やそこで

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