読む医療―医師が書いた本の斜め読み―
死別した人に対する振る舞いを学ぶ
第82回
鍛冶孝雄
2017年10月1日号
国内の緩和ケア、ホスピスケアの草分け的存在として知られる柏木哲夫医師(淀川キリスト教病院理事長)にインタビューしたことがある。 97〜98年、「緩和ケア病棟」いわゆる「施設型ホスピス」が診療報酬上で制度化される前後の頃で、何回か話を聞いた。テーマは、高齢化とがん患者の増加のなかでのホスピスの必要性、それに緩和ケアという医療(看護、介護も含めて)技術の難しさが中心だった。 記憶に強く残っているのは、柏木医師が取材中に「ターミナルケア」という言葉を自身で何度か使いながらも、実はそれがあまり自身の考え方と合致しているとは思っていないような印象があったことだ。記者である私は、そこに切り込まず、柏木医師も直接的な説明はしなかったので、その真意について聞けなかった悔いが、私には少しばかり残っている。 記憶する話の端々から今でも感じることがある。「ター...
国内の緩和ケア、ホスピスケアの草分け的存在として知られる柏木哲夫医師(淀川キリスト教病院理事長)にインタビューしたことがある。 97〜98年、「緩和ケア病棟」いわゆる「施設型ホスピス」が診療報酬上で制度化される前後の頃で、何回か話を聞いた。テーマは、高齢化とがん患者の増加のなかでのホスピスの必要性、それに緩和ケアという医療(看護、介護も含めて)技術の難しさが中心だった。 記憶に強く残っているのは、柏木医師が取材中に「ターミナルケア」という言葉を自身で何度か使いながらも、実はそれがあまり自身の考え方と合致しているとは思っていないような印象があったことだ。記者である私は、そこに切り込まず、柏木医師も直接的な説明はしなかったので、その真意について聞けなかった悔いが、私には少しばかり残っている。 記憶する話の端々から今でも感じることがある。「ターミナ
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