鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~
本丸を野放しにするな 国が俎上に載せた「免疫細胞療法」
第48回
鳥集徹
2017年10月15日号
さて、厚生労働省にどこまで踏み込む勇気があるか。 10月2日のNHKニュースによると、がん診療の拠点病院のうち、少なくとも12ヵ所で治療効果が国によって確認されていない免疫療法を実施していたことが、NHKの取材によって明らかになった。これを受けて厚労省は、免疫療法を拠点病院で実施すべきかどうかや実施する場合の条件について専門家の検討会で議論を始めるという。 ここで言われている免疫療法とは、患者の血液から採取した免疫細胞を、サイトカインやがん抗原などを使って培養・活性化し、点滴などで戻す、いわゆる「がん免疫細胞療法」のことだ。保険適用となっていないため、患者は自費を何百万円も支払う必要がある。 NHK報道でも、国立病院機構鹿児島医療センターが09年から100人余りの患者に、免疫細胞療法の一種である「樹状細胞ワクチン」療法を実施。71歳のすい臓が...
さて、厚生労働省にどこまで踏み込む勇気があるか。 10月2日のNHKニュースによると、がん診療の拠点病院のうち、少なくとも12ヵ所で治療効果が国によって確認されていない免疫療法を実施していたことが、NHKの取材によって明らかになった。これを受けて厚労省は、免疫療法を拠点病院で実施すべきかどうかや実施する場合の条件について専門家の検討会で議論を始めるという。 ここで言われている免疫療法とは、患者の血液から採取した免疫細胞を、サイトカインやがん抗原などを使って培養・活性化し、点滴などで戻す、いわゆる「がん免疫細胞療法」のことだ。保険適用となっていないため、患者は自費を何百万円も支払う必要がある。 NHK報道でも、国立病院機構鹿児島医療センターが09年から100人余りの患者に、免疫細胞療法の一種である「樹状細胞ワクチン」療法を実施。71歳のすい臓がんの
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